【第9回】工場排水の排水基準とは?基準値・法令・日常管理のポイントをわかりやすく解説

目次

工場排水の排水基準、本当に守れていますか?

「排水処理設備を導入しているから問題ない。」

「排水分析で基準値をクリアしているので安心している。」

「設備を設置してから、一度も見直していない。」

このように考えている工場も少なくありません。

しかし、排水処理設備は毎日同じ条件で稼働しているわけではありません。

生産量の増減や加工内容の変更、設備の経年劣化などによって、排水の性質は少しずつ変化していきます。

そのため、「先月は問題なかったから今月も大丈夫」とは限りません。

工場排水には法律や自治体によって定められた排水基準があり、適切な設備管理と継続的な点検が欠かせません。

万が一、排水基準を超過すると行政指導や操業への影響につながる可能性もあるため、日頃からの管理が重要です。

今回は、工場排水の排水基準の基本知識と、排水処理設備を安定して運用するための日常管理のポイントをご紹介します。


工場排水の排水基準とは?

排水基準とは、河川や海、地下水などの水環境を保全するために定められた排水の基準値です。

工場から排出される排水は、水質汚濁防止法をはじめとする法令や自治体の条例に基づき、さまざまな水質項目について基準を満たす必要があります。

主な管理項目は次のとおりです。

  • pH(水素イオン濃度)
  • SS(浮遊物質)
  • BOD(生物化学的酸素要求量)
  • COD(化学的酸素要求量)
  • 有害物質
  • 油分
  • 重金属類(業種による)

これらの項目は排水先や地域によって適用される基準が異なるため、自社に適用される基準を正しく把握することが重要です。


排水先によって排水基準は異なる

工場排水の基準は、排水する場所によって異なります。

例えば、

  • 公共用水域へ放流する場合
  • 下水道へ放流する場合
  • 自治体独自の上乗せ基準が適用される場合

など、それぞれ確認しなければならない基準があります。

「以前からこの方法だから」「他社も同じだから」という判断ではなく、自社の排水条件に合わせた管理を行うことが大切です。


バレル研磨排水・研磨排水で注意したい管理項目

バレル研磨排水や研磨排水では、特に次の項目に注意が必要です。

  • pH値
  • SS(浮遊物質)
  • 金属成分
  • 油分
  • 汚泥発生量
  • 排水量

加工製品や材料が変わるだけでも、

  • 処理水の色が変化する
  • SS濃度が増える
  • 使用薬品量が変わる
  • 汚泥量が増加する

など、排水の性状は変化します。

設備導入当初は問題がなくても、生産状況の変化によって設備能力とのバランスが崩れている場合もあるため、定期的な見直しが必要です。


工場排水でよくあるトラブル事例

ケース① 排水量が増えて設備能力が不足していた

設備導入時と比較して、

  • 生産量が増えた
  • 稼働時間が長くなった
  • 排水量が増加した

にもかかわらず、設備をそのまま使用しているケースがあります。

設備能力に余裕がなくなると、

  • pHが安定しない
  • SS除去能力が低下する
  • 汚泥量が増える

などの問題につながります。


ケース② 薬品調整だけで対応していた

「処理水が少し白いから薬品を増やそう」

このような対応だけを続けると、

  • 薬品コストの増加
  • 汚泥量の増加
  • フィルタープレスの負荷増加
  • ろ過能力の低下

など新たな問題が発生することがあります。

薬品だけに頼るのではなく、設備全体の状態を確認することが重要です。


ケース③ 長期間メンテナンスをしていなかった

設備は正常に動いているように見えても、

  • ポンプ能力の低下
  • 配管内部の閉塞
  • ろ布の劣化
  • pH計の誤差
  • センサーの故障

などが徐々に進行している場合があります。

重大な設備トラブルを防ぐためにも、定期点検と予防保全が欠かせません。


排水処理設備で毎日確認したい5つの点検ポイント

日常点検では次の項目を確認しましょう。

  • 処理水の色や透明度に変化はないか
  • pH値は安定しているか
  • 汚泥量は増えていないか
  • 薬品使用量に変化はないか
  • ポンプ・配管・設備に異音や漏れはないか

排水処理設備の異常は、小さな変化から始まることがほとんどです。

毎日の点検を習慣化することで、設備トラブルの早期発見につながります。


排水基準を守るために重要な5つのポイント

工場排水の排水基準を安定してクリアするためには、次の5つが重要です。

  • 適切な設備設計
  • 日常点検
  • 定期メンテナンス
  • 排水分析
  • 生産量や加工条件の変化への対応

特に設備導入から10年以上経過している場合は、現在の生産能力に設備が適しているか確認することをおすすめします。

「まだ使える」ではなく、「現在の工場に最適な能力を維持できているか」という視点が大切です。


排水処理設備は設置して終わりではありません

排水処理設備は、

  • 設計
  • 製作
  • 設置
  • 日常管理
  • 定期メンテナンス
  • 設備更新

までを含めて考えることが重要です。

設備は導入して終わりではなく、生産状況に合わせて継続的に管理・改善することで、本来の性能を維持できます。

適切な管理によって、

  • 排水基準の安定維持
  • 設備停止リスクの低減
  • ランニングコスト削減
  • 汚泥処分費削減

など、多くのメリットが期待できます。


まとめ|排水基準を守るためには日常管理と定期点検が重要

工場排水の排水基準は、単に分析結果で基準値を満たすだけではなく、日々の設備管理によって維持されています。

次のような項目を定期的に確認しましょう。

  • 排水量が増えていないか
  • 生産量や加工内容に変化はないか
  • 設備能力は現在の生産に適しているか
  • 薬品使用量に変化はないか
  • 排水分析結果に異常はないか

排水処理設備は、工場の安定した操業を支える重要な設備です。

だからこそ、「問題が起きてから対応する」のではなく、「問題が起きる前に点検・改善する」という予防保全の考え方が重要になります。

排水処理設備の点検・メンテナンスはエイチアイテクノスへ

有限会社エイチアイテクノスでは、東大阪市を拠点に、バレル研磨排水・研磨排水などの排水処理設備について、設計・製作・施工から定期メンテナンス、設備更新まで一貫して対応しております。

「現在の設備が排水量に適しているか確認したい」「排水基準への対応を見直したい」「排水処理コストを削減したい」「設備更新のタイミングを相談したい」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

工場ごとの排水条件や生産状況に合わせ、最適な排水処理設備をご提案いたします。

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