沈殿槽の処理水にフロックが混ざっていませんか?
排水処理設備を確認していると、
「沈殿槽の上から細かいフロックが流れている」
「処理水に汚泥のようなものが混ざる」
「以前は透明だった上澄みが濁るようになった」
という症状が発生することがあります。
この場合、凝集剤だけを増やすのではなく、沈殿槽全体の状態を確認することが大切です。
原因① 流入量が増えている
沈殿槽には、フロックを沈降させるために必要な時間があります。
生産量の増加などにより排水量が増えると、沈降する前に処理水側へ押し流される場合があります。
特に「生産量を増やした頃から症状が出始めた」という場合は、現在の流入量と設備能力を確認してみましょう。
原因② フロックが十分な大きさになっていない
凝集状態が悪く、小さく軽いフロックになっていると、沈殿しにくくなります。
確認したいのは、
- pH
- 凝集剤の添加状態
- 撹拌状態
- 原水の性質
などです。
薬品量だけでなく、処理条件全体を見ることが重要です。
原因③ 汚泥界面が高くなっている
沈殿槽の底に汚泥がたまりすぎると、沈殿できるスペースが少なくなり、汚泥が処理水側へ流出しやすくなります。
最近、汚泥引き抜きの頻度が減っていないか確認しましょう。
原因④ 汚泥を正常に引き抜けていない
バルブや配管の詰まり、汚泥ポンプの能力低下などによって、操作上は引き抜いているつもりでも実際には十分な量が排出されていない場合があります。
汚泥引き抜き時の流量や配管の状態も確認ポイントです。
原因⑤ 沈殿槽内の流れが変化している
槽内の部品や配管の状態によって流れが偏ると、一部で沈降時間が短くなる場合があります。
毎回同じ場所からフロックが流出する場合は、槽内の流れにも注目してください。
まず確認したい順番
沈殿槽からフロックが流出した場合は、
「流入量 → フロックの状態 → 汚泥量 → 汚泥引き抜き → 沈殿槽内部」
という順番で確認すると原因を整理しやすくなります。
まとめ
沈殿槽からフロックが流出する原因は、凝集剤だけではありません。
排水量、凝集状態、汚泥の蓄積、汚泥引き抜き、設備状態など複数の条件が関係します。
薬品を増やす前に「なぜ沈殿できなくなったのか」を確認することが、安定した排水処理につながります。
排水処理設備の処理状態が以前と変わってきた場合は、設備全体を確認することをおすすめします。
